SDGs認証マークとは?
SDGs認証マークとは、SDGsの掲げる目標に沿った取り組みで作られた製品に付けられるマークのことです。認証マークは食品や日用品、電化製品など身近な商品に付けられているもので、地球環境に優しい取り組みをしているもの、商品の安全性を証明しているもの、人や環境に優しい製造過程で作られた商品であることを認められたものなどがあります。
認証マークについて
環境に配慮したもの、安全性やクオリティを証明するもの、人や社会に優しい製造過程で作られていることを証明するものなど、認証マークの種類はさまざまです。SDGsと関連性のある認証マークもたくさんあります。認証マークは、第三者機関が商品の品質や製造過程を審査し、基準を満たしたものだけに表示されるものです。
なぜ認証マークがあるのか?
製造者の自己申告だけでなく第三者機関の設けた基準を満たしたことの証明になるので、認証マークを得ることは商品の品質の保障や企業への信頼度を高めるためにも大切です。また、認証マークがついていることで地球に優しいエコな商品であることも一目で分かるので、SDGsを意識した消費者に訴求できます。
さまざまな認証マーク
認証マークにはさまざまなものがありますが、今回はSDGsと関連性の高い認証マークを紹介します。
FSC認証
FSC認証は、紙や木工品など木を使った商品に付けられる認証マークです。適切に管理した森林でとれた木材を消費者に届け利益を生産者に還元することで、森林を持続可能な資源として次世代に残すために生まれました。運営機関である森林管理協議会(FSC)には、2種類の認証制度があります。
・FM認証(森林管理の認証)
森林そのものが適切に管理されていることを審査し証明します。
・CoC認証(加工・流通管理の認証)
使用された木材がFM認証を受けた森林からのものであることを証明します。
有機JASマーク
SDGsとも関連性があり、世の中の関心を多く集める「オーガニック」や「有機」といったキーワードと、有機JASマークは切っても切り離せない関係です。
有機JASマークは、農薬や化学肥料に頼らず、自然の力で生産された食品であることの認証になります。農産物の他に、飼料にも表示されます。「オーガニック」や「有機」という商品表示は、有機JASマークが付けられた商品のみであると法律でも定められているのです。
有機JASマークを表示するには、農林水産大臣が登録した登録認定機関から「認定事業者」として認定を受けることが必要です。認定事業者には農家だけでなく生産工程管理者、輸入業者などさまざまな企業があります。
国際フェアトレード認証ラベル
発展途上国で作られた製品が、不当に安く買われることなく公平な条件で取引されていることを認証したマークです。発展途上国の生産者や労働者を守るための認証で、劣悪な条件での強制労働や、児童労働をなくすことを目指しています。
発展途上国で生産された商品を適正価格で購入することにより、労働環境の向上と労働者の自立など、SDGsの掲げる持続可能な未来の実現に繋がります。
国際フェアトレード認証ラベルは、製品の原料の生産から輸出入、加工、製造に至るまで、国際フェアトレード機構が審査し、定めた基準を満たしていることにより表示可能です。
国際フェアトレード認証ラベルが表示された商品といえばコーヒーやチョコレートがポピュラーですが、紅茶やバナナ、ワインや化粧品類など多岐にわたります。
MSC認証
MSC認証は、持続可能な漁業に対する認証です。昨今獲りすぎと言われている水産資源を次世代に繋げ、環境に配慮し適切に管理された方法で漁業がおこなわれることを目標としています。漁業認定・海藻(藻類)認定の2種類があり、天然の水産物が対象です。国際的な非営利団体MSC(海洋管理協議会)が推進、管理をしています。
ASC認証
ASC認証とは、環境に大きな負荷をかけずに労働者と地域社会に配慮した持続可能な養殖業に与えられる認証です。ASC(水産養殖管理協議会)が推進、管理をしています。
RSPO認証
RSPO認証とは、2014年に生まれた国際的な認証制度です。RSPO認証の正式名称は「持続可能なパーム油のための円卓会議」になります。PSPO認証マークを商品に表示するには、RSPOに加入した後、RSPOのサプライチェーンの認証を取得するなど手順を踏むことが必要です。
RSPOが考える持続可能なパーム油の生産は、経済的に持続可能で環境に優しく社会にとって有益であることが求められます。パーム油は石鹸や食用油の原料になりますが、パーム油を生産するアブラヤシ農園の不適切な拡大がおこなわれるなど環境破壊が問題です。
そのため、従来の生態系や労働環境に悪影響を及ぼすことのないよう審査、認証する国際的な基準が設けられました。基準を満たし、SDGsに根ざした持続可能な過程で作られたパーム油を使用した商品にRSPO認証マークが表示されます。
日本では2019年からPSPO認証を得る取り組みを開始しました。現在では国内のさまざまな業界が加盟しています。
レインフォレスト・アライアンス認証
レインフォレスト・アライアンスは1987年に発足した国際的な非営利団体です。持続可能な3つの軸である社会、経済、環境のそれぞれに定められた厳しい基準を満たすことができれば、レインフォレスト・アライアンス認証マークが表示できます。森林を保護し労働環境を向上させ、人、動物、森林を守ることが目標です。
エコマーク
日本オリジナルの認証マークで、1989年交易財団法人日本環境協会が実施しているのがエコマークです。持続可能な社会づくりを目的とし、商品のライフサイクル全体で環境負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品を認証します。
リサイクル素材の活用、生産過程における資源の保全、エネルギー削減など、商品によって審査基準が異なり、厳しい基準に寄ってマークの表示が許可されているのです。日用品から電化製品まで幅広い商品が対象となり、国際的にも信用度が高いマークとして評価を得ています。
出典:SUSPRO 「【ビジネス向け】環境ラベル一覧&関連商品を解説!企業がSDGs活動で差をつけるために知っておくべき認定制度とは」
https://sus.i-goods.co.jp/columns/2217
出典:TRANS 「エシカル消費につながるヒント 地球にやさしい商品の印『認証マーク』」
https://www.trans.co.jp/column/knowledge/license_mark/
出典:スマートでんきコラム「いくつ知っていますか?認証マーク」
https://www.smart-tech.co.jp/column/environment-issues/ninshomark/
買い物で意識するSDGs
買い物に行くと、多様な商品が所狭しと陳列されています。同じ品目でもさまざまな商品があり、どれにしようか悩んでしまいますよね。その際にパッケージをチェックしてSDGsに関連する認証マークのついた商品を選ぶことで、地球にやさしい持続可能な未来のために貢献することができます。
なぜ認証マークを意識することが重要なのか?
日々の買い物でも、SDGsにまつわる認証マークを意識するだけで見える世界が違ってきます。購入する商品を選ぶときの基準を認証マークにするだけでも、SDGsに沿って持続可能な社会の実現を目指すために、私達一人ひとりが日常の中で出来ることです。
SDGsの掲げる目標や持続可能な未来の実現のために、SDGsに沿った理念や取り組みによって作られた商品を購入することで、社会課題の解決にも繋がります。そのためにも、日頃からSDGs認証マークを意識するのは持続可能な社会を実現していくために非常に重要なことなのです。
実際にスーパーなどでマークを探してみる
実際にお店でSDGsに関連する認証マークの表示されている消費を探してみました。さまざまな品目を見ていて感じたのが、思っていたよりも少ないということです。SDGsが叫ばれる中、私達一人ひとりが認証マークのことを知らなかったり、普段意識せずに買い物をしたりしていることも多いのではないかと思います。
今回紹介したマークの中では、FSC認証マークのついた紙製品や、JASマークのついた食品などに比較的多いなと感じました。認証マークの表示された商品を購入したくても、数が少ないとなると買えるものは限られてしまいます。
生産者、販売者、小売店もSDGs認証マークについて認識を深め、認証マークの付いている商品を積極的にお店に置くことで多くの人が認証マークのついた商品に触れることができ、SDGsにも大きく貢献できるのではないでしょうか。
人や環境。社会課題の解決などを考慮して購入を決めるエシカル消費に関心が高まる中、消費者の心がけだけでなく、モノづくりから実際に商品がお店に陳列されるまでの過程でもSDGsやエシカル消費をもっと意識していくのが大切です。
SDGs認証マークが表示された商品を選ぼう
多くの社会課題に直面し、私たちが安心して暮らせる持続可能な未来のためにSDGsが叫ばれている今、個人ができることも決して少なくありません。その中のひとつがSDGsを意識した認証マークのことを知り、マークが表示された商品を選ぶことではないでしょうか。一人ひとりがSDGsを、そして認証マークを意識し、エシカルな消費をするようになれば社会課題の解決への大きな貢献になるのではないでしょうか。
(大城望)