鎌倉発のSDGs!詰め替えパックを生まれ変わらせる「しげんポスト」とは
詰め替えパックからモノと笑顔を生み出す「しげんポスト」
しげんポストによる「鎌倉リサイクリエーション プラス」プロジェクトは2022年7月からスタートしました。しげんポストは、回収した詰め替えパックを新しいしげん(資源)に変えて、未来の世代に笑顔を届けるポストです。
しげんポストに中身を使い切った詰替パックなどを託すと、ベンチ、遊具、再生プラスチック容器などに加工され、地域の役に立つモノに生まれ変わり戻ってきます。しげんポストで回収しているのは、シャンプー類・ボディケア類、洗剤類など生活清潔用品の詰め替えパックです。
今後はより多くの種類のプラスチックごみをリサイクリエーションしたいと計画中です。2023年2月現在、しげんポストは以下の3ヶ所に設置されています。
・リサイクリエーション慶應鎌倉ラボ
鎌倉市大町1-1-14 AK 大町ビル
https://coin.machino.co/regions/kamakura/shops/825631928437
・鎌倉市役所本庁舎 1階ロビー
鎌倉市御成町18−10
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/shisei/choushaannai/honchosha_annai.html
・面白法人カヤック会議棟オフィス1階
鎌倉市御成町4−31
https://www.kayac.com/company/map
また、鎌倉市福祉センター、市内の公立保育園・小学校・中学校には、「鎌倉リサイクリエーション」の回収ボックスを設置しており、こちらは今後しげんポストへのリニューアルを予定しているとのことです。
しげんポストは、鎌倉市内に在住の方はもちろん、市内で働く方、観光に来た方など、鎌倉に関わる方なら誰でも利用可能です(※)。
▲まちのコイン利用イメージ
しげんポストに詰め替えパックを入れると、コミュニティ通貨「まちのコイン」の「クルッポ(鎌倉での通貨名)」がもらえます。クルッポを使うと市内での地域活動に参画できる体験などに参加でき、地域とのつながりを強めたり、地域が抱える課題をより身近な問題としてとらえたりするきっかけにもなるでしょう。
(※)公立保育園および小中学校に設置されている回収ボックスへの持ち込みは、各施設に子どもが登園あるいは登校している場合ご利用いただけます。
しげんポストで集められた詰め替えパックがカラフルなチェアなどに大変身!
▲3Dプリントチェア
しげんポストで回収したプラスチック製品は、再生プラスチック容器などに再利用されて再びパッケージとして使用されるか、あるいは住民から募ったアイディアを参考にしながら地域の役に立つモノに作り変えられます。
▲3Dプリンターでできた鎌倉市の形をした植木鉢
しげんポストで回収したプラスチック製品のリサイクリエーションは、慶應義塾大学が所有する3Dプリンターで鎌倉市のかたちをした大型プランターを皮切りに、等身大の江ノ電の模型、ベンチ、チェアが続々と作られています。
しげんポストでは、回収したプラスチックのリサイクリエーションに向けたアイディアをツイッター上で募集しています。いまはそのアイディアのひとつとしてローカルFMからのリクエストから「まちのDJブース」を製作しています。
「こういうモノがあったらいいな!」などアイディアがあれば、ぜひ「#リサイクリエーションかまくら」をつけてツイッター上に投稿してください。
「しげんポスト」が目指すのはプラスチックの地捨地消
▲ローカルFMである「鎌倉エフエム」からのアイディアをもとに慶應義塾大学SFC学生が制作した「まちのラジオDJブース」。
しげんポストは、慶應義塾大学が代表を務め、面白法人カヤックを含む全22社の参画企業と共同しながら鎌倉市と一緒に展開する、官民産学連携のプロジェクトの一環です。
鎌倉市は、SDGs未来都市として「ゼロ・ウェイストかまくら」に向けて、市内で出るごみの原料や資源化に取り組んでいます。
そのなかで面白法人カヤックは、花王株式会社が提唱するリサイクリエーション事業を、市内のまちづくりネットワーク「カマコン」と共同で、2016年から鎌倉市内で展開していました。
リサイクリエーションとは、使用済みのモノを再資源化する「リサイクル」と、新たな価値を付加する「クリエーション」をかけあわせた、「使ったら、捨てる。このあたりまえを変えたい」がコンセプトの造語です。
詰め替えパックを回収し再生樹脂ブロックに加工したのちに新しい役割を与えることで、再び世の中の役に立てるアップサイクルの循環を高めプラスチック製品の地捨地消の実現に向けて、面白法人カヤックではしげんポストのポスターの企画と制作、クルッポ(まちのコイン)活用などにも携わっています。
面白法人カヤックについてもっと知りたい方はこちらへ
しげんポストがもっと身近な存在になるように
ポストに描かれているイラスト「ループ君」には、資源の循環をモチーフに、「これから生まれて成長していく子どもたちに愛され親しまれるように」という願いが込められています。
しげんポストは、設置場所を考慮しつつ使用する素材や形状のバリエーションを増やしていく予定です。「使用済みプラスチックごみを預けたい」とお考えの方は、ループ君が描かれたグリーンのポストを鎌倉市内で探してみてください。
しげんポストは自分のアクションが何に変わっていくかを、まちの中で見える化できるので自分ごと化しやすいのがいいところ。鎌倉に住む人、鎌倉が好きな人、鎌倉にかかわる人たちに楽しんでリサイクリエーション活動に参加してもらえると嬉しいですね。(本プロジェクト代表の慶應義塾大学の田中浩也教授談)
まとめ:
今回は、鎌倉市内で実施中のリサイクリエーション「しげんポスト」をご紹介しました。捨てると「ごみ」になるはずだったモノが、しげんポストに託すことで「しげん」になり、新しい役目を与えられて、誰かの役に立つのは嬉しいですね。
未来の世代に向けて、モノと笑顔をプレゼントするしげんポストをきっかけに、リサイクリエーションについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。
【参考】
プレスリリース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000529.000014685.html
WEBサイト: